前回、前々回の話で、
夜、甘い物や炭水化物を食べすぎてしまう女性は多い。
その改善法は、
「食事は、タンパク質と油も食べる」
「早寝早起きして、朝食をしっかり食べる」
でも、それが出来ない/継続できない人が多い。
その理由は、エネルギー不足だから。
原因は、月経と出産による「鉄とタンパク質」の喪失。
とお伝えしました。
まだお読みでない方は、1度読まれると理解が深まります。
↓こちらからぜひお読みください。
◆1話目
仕事後に、甘いものや炭水化物の食べすぎでお悩み方へ
◆2話目
40代、50代女性が、疲れやすくなる理由
・・・
そして今回が3話目です。
ここまでの話の流れですと、
「じゃあ、鉄とタンパク質を摂ればいいの?」
となりそうですよね。
私もそう考えたこともあったのですが、、、
実は「鉄とタンパク質を摂るだけでは変わらない」という現実が待っていました。
なぜか??
今回も、あなたにご理解いただけるよう、私が実際に見てきた事実を元に話を進めさせていただきます。
※今回ご紹介する方はお2人。前回同様、ご本人に承諾を得た上で、情報をシェアさせていただいております。
1人目 タンパク質、鉄、他・諸々を摂ったけど、体重が増えてしまった、S様・50代
運動の習慣が元々あったが、数年前に手を骨折し、体力が低下。
ダイエットを始めるにあたり、運動よりも、不足する栄養を増やすことを希望。
タンパク質を固形物(肉、卵、豆)やプロテインで摂り、鉄をはじめ、他のビタミンミネラルなども摂り始める。
栄養の量は、以前に比べかなり増えた。(タンパク質を理想体重の×2gなど)
でも、甘い物/果物の摂取量は変わらなかった。
パーソナルでは強度の高い運動はしなかった。
元々仕事で、1日5000~7000歩ほど歩いているが、体力は開始当初から増えてはいない。
8カ月経ち、体重が3キロほど増えてしまった。
2人目 タンパク質、鉄、他・諸々摂ったけど、LDLが高くなってしまい乳腺症になってしまった、友人のHさん・30代
子供を2人出産し疲れやすくなってしまった。
体重は増えていないが、体力の低下を感じていた。
私のアドバイスを元に、プロテイン、鉄、ビタミンCなどのサプリから開始。
炭水化物や糖質は依然と同じ量摂っていた。
1~2カ月後、肌の調子などが好調だったが、乳腺症が発覚。
サプリを飲み始めて、LDLコレステロールが高値になっていた。
過去、授乳期に乳腺症になったことがあった。
たまに軽めのスクワットや腹筋は行っていたが、1日の歩数は少なく、継続的な運動はしていなかった。
お二人に共通したこと/分かったこと
・タンパク質、鉄など栄養を増やされた
・甘い物や炭水化物の量は変わらなかった
・数年間で体力が低下していた
・体力が向上するような運動をしなかった
私の経験不足、理解不足を深く反省しました。
でも、このことから、
運動量が少ない/体力が低いまま、タンパク質や鉄などを増やしても、甘い物や炭水化物の欲求は変わらない
ということが分かりました。
タンパク質が脂肪になったわけではない
ちなみに、タンパク質の摂取量が増えると、体内の炭水化物(糖質)の必要量は減ります。
タンパク質からもエネルギーが作れるので、炭水化物(糖質)からエネルギーを作る必要性が下がるからです。
つまり、タンパク質を増やすなら、炭水化物(糖質)を減らさないと、過剰になった炭水化物(糖質)が脂肪へと変換され、体脂肪として蓄積されやすくなります。
よく「タンパク質を摂りすぎると、余ったタンパク質が脂肪になるよ~」という意見も聞いたりしますが、実際の現場ではそのようなことは起こりません。
そもそも不足しているタンパク質は余らないし、摂りすぎた場合下痢するからです。
それについては以前ブログに書きました。
S様の体重が増えてしまったのは、
「タンパク質を増やしたのに、甘い物/果物(=糖質)の量が減らなかったから」だと思われます。
なぜ糖質の量が減らなかったのか。なんとなくお分かりかもしれませんが、この後でお伝えします。
LDLは体が変わるための材料
また、Hさんが乳腺症になったのは、LDLコレステロール(※以下LDL)が乳腺に詰まってしまったからだと思われます。
・・・LDLは、通常、細胞でホルモンや抗酸化物質、ビタミンD、胆汁酸などに合成されます。
細胞で使われると、そのカスが血液中に戻ります。
そのカスが、HDLコレステロール(※以下HDL)です。
カスなのに、HDLは善玉と言われますよね。
その理由は、「ちゃんと細胞でLDL(材料)が使われた証拠」だからです。
(だからHDLが多いと健康診断で褒められますよね。)
しかし、違う視点から見れば
「材料であるLDLが多く作られるのは良いこと」なんです。
材料が足りなければ、体は維持もできないし、変われもしません。
問題は「たくさんあるLDLを細胞で使えていないこと」なんです。
たくさん作られたLDL(材料)が使いきれずに、血液中に余ってしまうから、血管壁にくっついてしまったりして良くないわけです。
家のリフォームに例えるなら、
痛んだ箇所を補修し、より快適な家を作るための、材料はたくさんある。
でも、大工さんがいない。という状況。
・・・
「運動をしたらLDLが下がった!」と、よくお聞きします。
その理由は
「運動の刺激で、細胞内のミトコンドリアが活性化した結果、LDL(材料)が使われたから」
と私は考えています。
つまり「大工さん=運動」ということです。
LDLの、最後のLは「Lipoprotein=リポ蛋白(たんぱく)」といいます。
つまり、タンパク質で出来ています。
Hさんはタンパク質を増やした結果、LDLが上がったのだと思われます。
運動不足で、大工さんがいないから、材料が余っている。
「タンパク質を摂るようになって、LDLが高くなった」というのは、そういう状態です。
私たち(松本市民)には、運動が必要
お二人に共通していた、
運動量が少ない/体力が低いまま、タンパク質や鉄などを増やしても、甘い物や炭水化物の欲求は変わらないという事実
また、S様は体重が増えてしまったこと
Hさんは、LDLが上がり乳腺症になってしまったこと
これらを併せて考えると、
体力が以前より下がった/今は運動不足
と感じている人は、
まず、運動を増やす必要がある
ということです。
どんな運動から始めると良いか
では、どんな運動から始めると良いと思いますか?
これは、都会の方と私たちを比較した時に、答えが見えました。
以前ブログに書きましたが、
東京などの大きい都市から松本市へ越してきた方で、
通勤手段が「電車から車」になった方は、
半年から1年間で、平均5キロ太る。
というデータが出ました。
(10年間スポーツクラブでそういう方を多く見てきたという、私の経験上の話です)
「どうしてかなぁ。」と思い、歩数から距離を計算してみたら、
東京の方の1日の平均歩数は10000
長野県民の1日の平均歩数は3000~5000
(※1日1000歩以下の方も多い)
毎日5000~7000歩以上を、週休2日と祝日を除いて、仕事の日だけ(1年240日)で計算すると
少なく見積もっても、年間で840km~1176km歩かなくなる。(歩幅70cm計算)
ちなみに、
松本市から北海道(函館市)までが、970km
松本市から長崎県(長崎市)までが、1110km
電車通勤の人が車通勤になり1年経てば、それだけ歩く距離が減る。
「そりゃ太るか。汗」
という結論に至りました。
・・・
逆に言えば、
私たち(松本市民)は、意識的に歩く必要がある。
ということです。
3話分のまとめ
甘い物がやめられない、エネルギー不足になっている、40代/50代女性は、
・鉄とタンパク質が必要
・でも運動不足/体力不足だと、栄養をうまく使えない状態
・だからまずは、運動をすることが必要
・エネルギー不足も加味すると、まずは歩数を増やすことからが確実
と私は考えております。
(もちろん筋トレも重要なのですが、それについてはまた今度)
では、どう歩いたら良いのでしょうか。
これは私の統計ですが、
1日に7000歩~10000歩で結果が出やすくなります。
7000歩でも結果が出る方はおられますが、10000歩できればもっと結果が出やすいです。
例えば、
現在1日1000歩くらいの方もいると思います。
その方は、ウォーキング50分以上必要です。
すでに1日5000歩歩いてるなら、あと20分以上必要です。
・・・
50分増やすのは大変だし、20分増やすのも、なかなか大変ですよね。
だから、まずは現状を把握し、1週間で7000歩増やしてみるのはどうでしょうか?
1週間で7000歩なら、1日1000歩です。
つまり1日10分増くらい。
10分なら、
・会社やスーパーの駐車場で一番端っこに停める
・仕事中トイレに頻繁に立ってみる
・デパートを余分に1周してみる
などでクリアできます。
ダイエット、健康づくり、甘いもの/炭水化物を減らす。
そのための具体的行動として、いかがでしょうか。
近道はない
(※最近、この話をすると、インターバルトレーニングやHIITのような、
「短時間で効果を得られる方法はありませんか?」というご質問をいただくことがあります。
たぶんYouTubeなどの影響だと思いますが。
運動で成果を上げたい場合、頻度→量→質/強度という順に負荷を増していくという、不変の原理/原則があります。
まずは頻度を増やし、その次に量を増やし、その次に質/強度を増やす。
そうすることで体は成長のステップを駆け上っていきます。
これは運動に限ったことではなく、お料理でも、仕事でも、読書でも、何にでも当てはまります。
運動経験が浅い/現在体力低めの方は、まずは「毎日歩く」ということになれる必要がある。
次に歩数をこなす必要がある。
毎日たくさん歩いても平気になってきたら、インターバルトレーニングやHIITのような、短時間で結果が得られるが、強度やリスクが高い=質の良いことが出来るようになる。
という順序。
お料理では、まずはお母さんのお手伝いを毎日することから。
仕事では、まずは元気の良く休まず出勤することから。
読書では、毎日本を開き少しずつ読む習慣を身につけることから。
ですよね。
要するに、「下積みから」ということです。
退屈に感じるかもしれませんが、土台となる運動習慣/体力が無い/低い人は、必ずリバウンドしています。
いろいろと経験されてきたあなたは、きっとこの話がご理解いただけると思います。
それに、頻度と量をこなそうとすると、けっこう疲れますから、達成感ありますよ。
なので、インターバルでもHIITでもなく、まずは毎日歩くことからです。)
・・・
「よし、佐藤がそう言うなら、やってみるか!」
と思っていただけたなら、ほんとに嬉しいです。
(今回ご紹介したお二人も、現在は運動の頻度や量を増やすことに取り組まれていますよ)
結果が出て維持できるか、否か。の分かれ目がある
実は、この、
「具体的な行動を始める時」に、注意していただきたいことがあります。
それは、
結果が出て、維持し、健康になれるかどうかの分かれ目が、ここにあるからです。
ちなみに、ビフォーアフターでご紹介している、
3カ月で5キロ、6カ月で9キロ以上痩せて、維持し続けられている方は、その違いが分かる「あること」を意識されていました。
次回アップさせていただく方も、半年で8キロほど痩せられ維持しておられますが、「あること」についてコメントされています。
また近々、それを共有させていただきます。
ここまで読んでくださったあなたには、ぜひその「分かれ目」を知っていただけたらと思います。
(※すみません、次回こそは、できるだけ早くアップしたいと思います。汗)
楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
- 女性のダイエット専門パーソナルトレーナー 佐藤健二 -
長野県松本市、安曇野市、塩尻市、岡谷市、諏訪市などからお越しいただいております。